研究概要 |
本研究は大型構造物の形状変化をnmオーダーの精度で測定できる測定システムを開発することを目指して,レーザ光の直進性と半導体位置検出素子を利用した面内変位測定の長距離化と高精度化を進めることを目的としている。一般にレーザスポットの位置変化を位置検出素子を使って検出する場合,レーザスポット径が小さいほど高感度に検出できる。一方,レーザ光を長距離伝搬させるとレーザスポット径は大きくなるので,その変位を高精度に検出することは難しくなる。 そこでレーザ光を400m伝搬させる場合を想定し,ガウシアン直径φ20mmのレーザスポットの変位を最も高感度に検出できる位置検出素子の形状を,シミュレーションと実験によって調べた。その結果,位置検出素子としてはPSD(Position Seisitive Device)よりも4分割フォトダイオードのほうが高感度な変位検出が期待できること,4分割フォトダイオードを構成する4個のフォトダイオードはレーザスポットの周辺に配置するほど感度が良くなることが明らかになった。 また三角測量方式によるレーザ変位計である光マイクロの長距離化の研究も同時に行った。従来は最大でも数cmの測定範囲であったが,被測定物の表面に反射シートを貼ることによって約1mの範囲で測定できるようになった。
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