研究概要 |
全国約93人の大学および、それに相当する機関における材料力学担当者に、手紙による「材料力学とマルチメディア」に関するアンケートを行った。その結果、半数以上の材料力学担当教官が、「マルチメディアに興味を持っている」と回答し、年代別に見た各教官のマルチメディアに対する興味は、30,60代の教官は、興味が「ある」の数と「普通」の数がほぼ同数であるのに対し、40,50代の世代は興味が「ある」と答えた人の数が「普通」と答えた数の倍以上になっていた。材料力学の講義担当者の大半を占める40,50代の層が牽引となって、新しい材料力学の講義形態に取り組むことが期待できることが分かった。さらに、全国各地で開かれたマルチメディアに関する会議において、マルチメディアと教育に関する様々な最新の情報の収集を行った。また、材料力学の電子本の製作に関する講演を、日本機械学会において数回行い、本研究の進展状況およびマルチメディアの有効な利用法を多くの人に報告するとともに、マルチメディアと材料力学の将来像に関し多くの研究者の生の意見を集めた。これらの意見や先に示したアンケート結果を元に、材料力学の電子本のさらなる改良を行った。その結果、見本版ではない、かなり完成されたものができ上がった。この、電子本には従来の本にはない、実際の実験を撮った映像やアニメーション等の様々なマルチメディア情報が含まれている。今後、この電子本の試験的使用を、インターネットをとうして材料力学の研究者や講義従事者に行うめどが着いた。さらに、本研究で得られた結果は、日本機械学科論文集に投稿中である。
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