研究概要 |
本研究の目的は、我々の提唱する常圧下でのプラズマを用いた新加工法プラズマCVMにおいて、数値制御による形状加工を行なうための装置開発、ならびにその基礎研究である。 数値制御加工において重要となるのは単一加工痕の形状、ならびにその再現性である。そこで本年度は、加工痕形状が単純で解析が容易となるように、パイプ状の加工電極を用いて加工実験を行ない、加工痕形状に影響を与える各種パラメータの解析を行なった。本加工法は常圧下でプラズマを発生させるという特徴を有するため、反応ガスおよび生成されたラジカルの粘性流領域における流体および拡散を考慮した解析が不可欠である。そこで、非圧縮性流体計算により反応ガス流の速度分布を求め、その速度ベクトルをもとにラジカルの被加工面への拡散分布を計算することにより加工痕形状の解析を行なった。その結果、加工痕形状に影響を及ぼす加工ギャップならびに反応ガスの流速依存性が実験結果と定性的に一致し、今回用いた解析手法の妥当性を確認できた。 今後はこの解析結果をもとに理想的な加工痕形状を得るための電極形状を設計・製作し、数値制御による形状加工を行ない、形状誤差,表面粗さ等の評価を行なう予定である。
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