研究概要 |
スライディングベーン型圧縮機の隙間内圧力分布を正確に計算するために,有限体積法に基づいた高精度な圧縮性粘性流体の数値解析法を開発した.この計算を実施するために,小型で高速なワークステーションを購入し,隙間内の圧力計算を多数の場合について行い,隙間内の流れ特性が明らかになった.一方実験の面からは,画像取り込みボードをパーソナルコンピューターに装着することによって,隙間内流れの可視化映像をコンピューターに取り込み画像処理を施した結果と計算の結果を比較検討することで,計算モデルの有効性の確認を行うことができた.これらの解析結果より,圧縮機の性能劣化の主たる原因は,吐出側の高圧室から吸入側の低圧室への漏れがその大きな原因であり,また,このときの流れが非常に高速であることも計算により確認された.今後は,数値シミュレーションをさらに進め,性能劣化を防ぐための具体的な改善を検討していく予定である.
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