研究概要 |
通常のアクティブサスペンションはフィードバック制御系の構成をなす。したがって,路面変動により発生する車体の振動を未然に防ぐことは困難となる。これに対して,路面外乱を予見し,その情報を利用する予見フィードフォワード制御法は,路面外乱が車体の運動特性に及ぼす影響を低減することが可能となる.しかし,この制御方法を実現する場合,未来の路面状況を何らかの方法により検知する必要があるが,センサを用いてその情報を検出することは困難で,しかもコストが高くなる恐れがある.そこで,車体の状態量の変化を利用して前輪に入力された路面外乱を推定し,その情報をリアサスペンションの予見フィードフォワード制御に適用する方法を検討した.本手法では,車輪の前輪部と後輪部を独立なシステムとして扱っているため,前輪部モデルを用いて路面外乱の推定器を設計でき,後輪部モデルよりリアサスペンションのコントローラを設計できる利点がある.本手法を試作した空気圧サーボ式アクティブサスペンションを搭載した前後2輪の車両モデルの上下運動の抑制とピッチング運動の抑制のために適用した結果,5%程度の誤差で路面外乱を精度でき,約40%ぐらい車体の運動性能を改善できることを購入した加速度センサやマグネスケールセンサにより確認した.この結果の一部は,平成7年3月8日に開催される日本機械学会中国四国支部の講演会で発表することになっている.
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