本年度は設計工程知識と対象知識をともに利用する推論エンジンの研究を重点として、設計知識ベースの実現、QFFのCからLispへの移行及び定性シミュレーションツールと結合を行なって、全体として方式の確立を行なった。具体的には、 ・ALLEGRO COMMON LISP CASE TOOLを入手し、機能推論エンジンの試験版を完成させた。 ・設計用プロトタイプ知識ベース(シングル設計者版)を作った。設計者の知識、あるいは設計過程に関する知識(「決定」・「変換」ルール)を獲得し、設計対象に関する知識を定性的に表現できた。 ・機能推論エンジンと設計用プロトタイプ知識ベースを利用して定性シミュレーションを行なった。 システム評価として従来のComputer Aided Design(CAD)ではサポートされていなかた設計の中流領域について:中流設計が自動化できるようになる;設計工程知識を再利用できる;設計対象知識と設計工程知識を同時に使用できる;設計工数が減る;設計期間が短縮される。更に、従来のCADは厳密に制限された同一の対象領域でしか中流領域は自動化されていないが本方式では「柔軟性のある中流自動化設計ができる」、「流用性が高まる」、「対象を拡大できる」等の効果がある。来年度は重点として、「分散型設計知識ベース」と推論エンジンについて研究を行ない、ハイパーアクティヴ設計ドキュメンテーションツールを実現する予定である。
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