研究概要 |
本年度は,自由曲面の実モデルを表示するデバイスについての基礎的な検討を行い,造形操作に必要とされる機能とアクチュエータ等メカニズムの実現性から,曲面をX-Y平面上で格子状に分割し,各々の格子点の高さで表現するZmapにより表示する方法が有効であるという結論が得られた.すなわち,計算機内には自由曲面形式で形状を表現し,これをZmapに変換して,バイラテラルデバイスで表示する.さらに,作業者により変更されたバイラテラルデバイスの形状は,計算機に取り込まれ,自由曲面形式に変換される. そこで自由曲面とZmapを互いに変換する手法について考察を行い,Zmapから自由曲面への変換の際に問題となる曲面の振動現象に対して, (1)ユニフォームBスプライン曲面において、振動の生じ易い部分で制御点を多重化することにより、区間的に滑らかな曲面を生成する手法を提案した. (2)有理ユニフォームBスプライン曲線を用い、振動の生じ易い部分で与点の近傍を通る曲線の補間について、制御点の重みを決定する手法を提案した. また現在、試作を行うバイラテラルデバイスの基本的な仕様を決定するために,1mmピッチで70×100のZmap表示装置を試作し,作業者の曲面の認識性の評価実験を行っており,これにより格子間隔と曲面形状表現の認識の分解能等の基本的なパラメータの評価,決定が可能となる.
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