研究概要 |
マニピュレータの障害物回避動作計画においては一般に複数の障害物回避経路が存在し,その最適性についても様々な評価基準が考えられる.しかも,実用的な3次元6自由度のマニピュレータの場合は環境物体と干渉しない経路を求めること自体困難な問題である. 本研究では,マニピュレータの障害物回避経路の最適化に遺伝アルゴリズム(GA)を用いる一手法を新たに提案した.すなわち,障害物回避動作計画問題をマニピュレータの関節角度空間(Configuration Space:C-Space)内の曲線の形状最適化問題と捉え,曲線の遺伝子表現としてBezier曲線のコントロールポイントを利用する方法を提案し,遺伝オペレータとして,コントロールポイントに対する交配,突然変異を定義し,適合度関数として,曲線長が短いほど良い値となり,障害物との干渉の深さをペナルティーとするような関数を設定してGAを適用した.そして,大域的探索力に優れているとされるGAと局所的探索法である山登り法のハイブリッド化によって,従来の探索手法と比較してより良い解が求められることを示す結果がシミュレーションによって得られ,本手法が有効であることを示した.また,本手法は基本的に障害物との干渉チェックの手続きにあたる部分を変更するだけで他の型のマニピュレータや障害物形状へ容易に拡張,適用できるであろうと思われる.
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