実験として、すでに静電力を用いて直径5〜800μmの粉体の2自由度の運動制御を確認した。粉体、たとえば金属パウダーや静電トーナーなどのハンドリング実験を行った。小型の粉体ハンドリング装置の試作をした。交流電界による粉体の搬送および2次元位置制御のための2つの新しい原理に基づく装置を製作した。一つは粉体をDC電場でトラックし、平行電極に沿って搬送するものである。もう一つは、粉体の運動を2次元的に制御するものである。本文において、印加電圧のパターンと相数が粉体の挙動に及ぼす影響も述べるし、粉体のグループ挙動や接点間の加速度方法について述べる。 粉体の搬送は真空中、空気中、誘電性粉体中といった、様々な環境下で行われてきた。その結果、液体中において粉体を搬送する際に低周波AC電源を使用すると、粉体に帯電している電荷の散乱が速すぎ、粉体の搬送が困難となる事がわかった。従って、液体中での細胞の操作において細胞をうまく搬送させることが困難となり、OPCフィルム上での搬送を断念した。そこで、平行に配置された電極を用いて高周波の高電圧を印加する方法を考えた。自作の、プログラム作成が可能な16チャンネル高電圧電源によって多くの利点を得る事ができた。
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