本研究では、マルチメディア通信ネットワークにおける輻輳制御方式を、ネットワークにサービス品質(QOS)保証の機能が備わっているか否かに分けて検討を行った。 QOS保証を行うネットワークにおいて、コネクションの確立時に、ネットワーク内の資源としてバッファを確保すると共に、ネットワークの負荷に応じてビデオの解像度を選択する方式について、その性能をシミュレーションによって定量的に明らかにした。QOS保証を行わない従来のネットワークでは、ネットワークの負荷(ネットワークノードの処理待ち行列長)に応じて、ビデオの空間的及び時間的解像度を複数レベル間で動的に適応させる制御方式の性能をシミュレーションにより求めた。これらの成果、平成6年6月に仏国グルノ-ブル市で開催されたIFIP HPN'94で発表され、平成7年4月の電子情報通信学会論文誌に掲載される予定である。また、解像度変更を2レベル(高レベルと低レベル)で行う方式を扱い、複数レベルで変更する方式との比較を行うだけでなく、資源としてバッファ以外に帯域も確保したときの性能を評価した。この結果は、平成6年10月の電子情報通信学会通信方式研究会で報告されている。 更に、本研究では、ビデオの解像度変更と画品質との関係を明らかにするため、予備的な主観評価試験を行った。そして、2レベルで解像度を変更する場合に対して、解像度変更の頻度や大きさが画品質に及ぼす影響を明確にした。この成果は、平成7年3月の電子情報通信学会総合大会で発表される予定である。
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