研究概要 |
本研究は、入力トラヒックがどの程度制御されたか、あるいは制御された後のトラヒックがどの程度入力トラヒックと一致しているかを量的に評価するための指標(一致指標)を提案し、様々な監視制御方式について、バースト性の制御とサービス品質の劣化とのトレードオフを一致指標並びに過去の申請者が開発した性能評価手法を用いて、量的に明らかにすることを目的としていた。 現在までに、一致指標の提案と最も良く知られたトラヒック監視制御方式であるLeaky Bucket方式に対して、バースト入力を考慮した数学モデルの構築ならびに一致指標と出力過程を得るための理論的解析手法を確立が完了し、その成果をINFOCOM'94で発表した。さらに、他のトラヒック監視制御方式(Spacer方式、Jumping Window方式)について数学モデルの構築、理論的解析手法の確立、並びに数値実験を終了した。 本研究で構築された数学モデルはあらゆる定常点過程を任意の精度で近似的に表現できるMAP到着を仮定しており、現時点で考え得る最も一般的な数学モデルである。さらに、Leaky Bucket,Spacer,Jumping Window方式を数値実験により比較した結果、最も単純な制御機構をもつSpacer方式が、通信網利用者の観点から見て、最も優れた性質を持つことが分かった。この比較結果については、現在論文を作成中であり、来年度当初には投稿する予定である。
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