研究概要 |
本研究では通信路の特性および記録媒体の性質を考慮に入れた上での誤り制御符号の適用についての研究を行い,いくつかの成果を得た.以下の研究項目ごとに整理して研究成果を与える. (1)RS符号の能力とそれを構成する有限体との関係の究明 RS符号、特に短縮RS符号のランダム誤り訂正能力をシミュレーションにより検証し,設計距離以上の訂正能力を有するための条件を導出した.つぎにその能力を引き出す効率的な復合法を開発した. (2)計算機を有効に利用した符号構成法の開発 本研究項目では,新しい最良符号を導いた.符号の代数的な性質と計算機による探索を効率的に融合することにより,(233,30,88)符号,(241,25,93)符号を新しく構成できた. (3)高能力代数的誤り訂正符号の高速復合法の開発 本研究項目では一般的な線形符号および巡回符号の能力を決定するために必要な重み分布を効率よく導出する方法を提案した.また畳込み符号において従来の重み分布導出法を改良し,より高速に導出する方法を与えた.さらに線形符号を非対称通信路に適用した場合,その能力を最大限引き出す復合法を提案し,その評価を行った.
|