研究概要 |
本研究では,画像ならびに音声を統合的に扱う専用プロセッサを開発し,マルチメディア情報の高速なユーザインタフェースを提供することを目標とした.具体的には,多重スレッド方式のアーキテクチャを画像情報ならびに音声情報の高速処理を行なえるように変更することにより,プロセッサを設計した.これにより,従来高速に利用する事が困難とされていた,マルチメディア情報の有効利用が期待できる.さらに,考案したアーキテクチャをもつプロセッサを計算機援用設計ツールを用いて設計し,実際に専用ハードウェアとして実現することによりその製品化への可能性を示した. マルチメディアアプリケーションに対する,多重スレッド方式の問題点を考察し,改良を加えるという形で研究を進めた. 1.マルチメディアアプリケーションの解析: 具体的には,国際標準であるMPEG2(Moving Picture image coding Experts Group)アルゴリズムについて,オ-ディオ(音声)/ビデオ(映像)復号時の振舞いを解析した. 2.マルチメディア用アーキテクチャの提案: 1.の結果を元に,マルチメディア情報を扱う上での,多重スレッド方式の問題点を解明し,専用演算部を持った新しいアーキテクチャを提案した. 3.マルチメディアプロセッサの設計: 2.で提案したアーキテクチャを,計算機援用設計ソフトウェアを用いてVLSI実現した.
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