1.カオスの発生機構と制御機構の検討 既に無制約最適化問題に対する基本的なアルゴリズムを確立しているが、収束特性や最適性に関する検討が不十分であった。しかし、これらの特性はカオスの発生機構と制御機構に強く依存するので、典型的な無制約最適化問題に適用しつつ、収束特性と最適性の両面で最も適したカオスの発生機構と制御機構を選定した。。 2.間欠性カオスを用いた無制約大域的最適化アルゴリズムの構築 変形ベルヌ-イ系により発生する間欠性カオスの制御機構を検討した上で、パラメータの決定を行い、勾配系に組み込むことにより、新しい大域的最適化手法を構築した。さらに、典型的な多峰性の大域的最適化問題に適用し手法の有効性を明らかにした。 3.他の大域的最適化手法との比較検討 カオスを用いた手法を含めた他の代表的な大域的最適化手法の文献調査を行い、本研究の位置づけを明確にした。さらに、遺伝的アルゴリズムとニューラルネットワークについては、実際にシミュレーションを行い、大域性や計算量を比較した。なお、これらの文献調査とシミュレーションは本学大学院生に依頼し、研究費の一部を謝金として支出した。 4.制御理論への応用可能性評価 最近の最適制御理論やH∞制御理論への、本研究での開発手法の応用可能性に関する基礎的検討を行った。
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