研究概要 |
表情認識に基づくマッサージロボットの開発を目指して,第一段階である本研究は表情認識システムの開発を目的として,具体的に次の3点について考察した. (1)まず,人間の表情を分類するために,ファジィ集合で表す曖昧な情報の分類法として「ファジィ最大木分類法」を開発した.また,表情が主に眉,目,口,の開度によって表されれると考え,ファジィ最大木分類法を用いて,10名の試験者からの統計データを「期待」,「苦痛」,「心地良い〕,「驚き」という四つの曖昧な概念に分類した. (2)表情認識アルゴリズムを開発した.まず,既開発した画像処理プログラムを表情認識に適用できるに再開発を行なった.今回では,オンラインで認識できるアルゴリズムとしては,最大帰属度法を採用した.すなわち,入力された眉,目,口の抽出結果をBezier曲線で特徴近似して,それぞれの帰属度を計算して,最大帰属度に対応したものを認識結果とした. (3)シミュレータ実験により(1)(2)について検討する.まず,簡単のために,コンピュータを低周波治療器の制御システムを開発した.現在オンラインで「心地良い」の帰属度が最大になるように,低周波治療器の速さと強さを調整するアルゴリズムを改善しているところである. シミュレータ実験を通じて,次の結論を得た.(イ)ファジィ最大木分類法が有効性であた.(ロ)最大帰属度法に基づく認識速度が非常に速いが,曖昧な情報の離散性の原因で,適切に認識できない場合がある.今後の対策として疎な形で与えられた曖昧な情報にも適用できるオンラインアルゴリズムを開発する予定である.(現在理論導出中).(ロ)速さと強さだけでなく,位置と姿勢の制御もとても大事なことが分かったので,マッサージできるハンドの開発を今後の課題としている.
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