研究概要 |
1.オーバーサンプリングについて検討するためには、サンプリング周期と制御対象の特性の関係について知ることが重要であるため、サンプル値系を制御する上で基本的事項であるサンプリング周期に対する可制御可観測性の問題について調べた。サンプリング定理と同様に、プラントのモードの2倍のサンプリング周期が可制御可観測性のためには必要であることが知られていたが、2倍のサンプリング周期の近傍ではかなり可制御可観測性が強く充分実用的に使えることがわかった。 2.オーバーサンプリング技術を制御に応用するための基礎的研究のためにサンプル値H_∞制御を利用した。フレキシブルアーム実験装置に以上の結果を応用し,AD/DAボードと制御用コンピュータを用いて制御を行ない,理論の有効性を検討した. 3.サンプラの前段に連続時間・ロ-パス・フィルタをおき、サンプリング周期、連続時間系の共振モード、フィルタ特性の関係をシミュレーションおよび実験において調べた。その結果、不確かさとして振動モードがある場合にはロ-パス・フィルタで単純にカットするとロバスト安定化可能性は向上する。しかし、むしろ悪化する場合もあることが分かり、より詳しく調べる必要があることが分かった。
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