研究概要 |
1.テンプレートマッチングにより注意制御を行い、図面中のシンボル候補を選択することで、各シンボル候補に対して個別の認識処理を実行できるプログラム制御機構を考案した。これは従来の黒板法の拡張であり、その制御モジュール部において、単に認知・実行サイクルを繰り返すためのIF・THENルールを記述しているのではなく、認知・計画・実行という3段階の処理を行うようになっている。この中の計画過程で、実際の認識においてどのような戦略をとるかを決定する。これにより、様々な戦略知識を組み込み、それを認識処理過程で動的に切り替えたり、組み合わせたりすることが可能となった。 2.前述の認識処理の枠組みの中でどのような情報が戦略の動的生成に有効であるかについて検討を行った。 1)意味解析などによりトップダウン的に与えられる制約条件。 2)シンボル候補の競合状態。 3)注意制御によるシンボル候補の生成状態。 などが利用できる。2,3が実際の画像の質に影響される情報であり、一般には画質が悪いほど競合集合が大きくなり、生成されたシンボル候補の確信度が低下する傾向があった。 3.シンボルのモデル記述において、様々な認識戦略の実行に対応可能な表現法の検討を行い、パターン表現に基づく記述と理論表現に基づく記述を組み合わせた表現法を採用した。 4.画質の異なる数種類の図面に対して認識実験を行い、良好な認識結果を得た。
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