1.橋桁に作用するガスト空気力の基本的特性を明らかにするために、矩形断面柱模型を対象とし、2つの断面において作用するガスト空気力を測定した。2つの断面間の距離を変化させて測定を繰り返すことにより、ガスト空気力のスパン方向の相関を求めた。また、気流の乱れのスケールを3種類、矩形断面の辺長比を2種類変化させてそれらの影響を調べた。前年度行った偏平六角形断面模型に作用するガスト空気力の測定結果と比較すると異なる傾向がみられたが、詳細な検討は今後行っていく予定である。 2.水平偏角をもつ風により架設中斜張橋に生じる鉛直ガスト応答を予測する手法の精度を、その結果を既往の風洞実験結果と比較することにより検討した。予測において、橋桁に作用する空気力の特性が平板に対するものと類似である等の仮定を用いているが、予測結果は実験結果を概ね説明するものであった。 以上のように、長軸直角方向の風により矩形断面模型に作用するガスト空気力の特性および水平偏角をもつ風によるガスト応答予測手法に関する研究を行ったが、水平偏角をもつ風のもとで作用するガスト空気力の測定は行えなかった。水平偏角をもつ風により作用するガスト空気力の特性を明らかにすることは、ガスト応答予測の精度を高くするために重要であり、今後の課題としたい。
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