研究課題/領域番号 |
06750511
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造工学・地震工学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
宇都宮 智昭 京都大学, 工学部, 助手 (10211773)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 水中柔構造基礎 / 地震時動水圧 / 流体力係数 / モリソン式 / ポテンシャル理論 |
研究概要 |
本研究では、流体力算定時に構造物自身の変形を考えなければならないような大水深下での柔構造基礎に関して、構造物-流体系の動的相互作用を明らかにすることを目的とする。特に、地震時における動水圧の計算方法の確立を主題とする。申請年度においては、最も単純な柔構造基礎としての鉛直円筒を取り上げ、これが調和振動する時の動水圧をポテンシャル理論およびモリソン式により計算し、その実験的検証をおこなった。 まず、ポテンシャル理論に基づき、底部にて調和加振される鉛直円筒の流体力係数(付加質量係数および造波減衰係数)の計算を行った。また、モリソン式によっても同様の計算を行った。これとは別に、水中振動台を有する造波水槽実験装置において、水中での鉛直円筒模型の加振実験をおこない、その流体力係数をカルマンフィルターを用いたシステム同定手法により同定した。 ポテンシャル理論およびモリソン式により計算される流体力係数の理論値と実験値を比較したところ、ポテンシャル理論の方がモリソン式よりは実験値に近づくことがわかり、これは従来の知見に一致したが、一方、構造物の変形の余り大きくでない周波数領域(共振周波数と異なる領域)においては、実験的に同定された流体力係数が負値になる等、著しく理論値と異なることが判明した。その原因について調査したところ、一部研究者により、地震時流体力係数の算出においては流体力の圧縮性が無視できない場合のあることが指摘されていることが分かり、これが主要な原因と考えられた。 そこで現在は、流体の圧縮性を考慮した理論値の算定法について研究を引き続きおこなっている。また一方で、無限要素を用いた三次元有限要素法のプログラム開発を行っており、任意形状を有する柔構造基礎の地震時動水圧の数値計算手法の確立を目指している。
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