本研究は、鋼・コンクリート合成部材の熱伝導・温度応力の評価方法を確立することを目的とし、従来ほとんど研究がなされていなかった次の2項目について研究を進めた。 1.コンクリートの材料定数の温度依存性が温度分布や温度応力分布に及ぼす影響の評価法を確立することを目的として、コンクリートの高温下での熱伝導率や弾性係数の測定実験結果を基に、これらの温度依存性の影響を解析的に解明した。 2.高温加熱を受ける鋼・コンクリート合成部材の温度分布・温度応力分布に及ぼす鋼材および新素材(炭素繊維、ガラス繊維)等の補強材の影響を解明するために、コンクリート中に挿入されたこれらの補強材の影響を忠実に評価し得る、埋め込み鉄筋モデルを拡張・適用した実用的な熱伝導・温度応力解析法を開発した。本解析法を用いて、鋼・コンクリート合成部材を対象とした有限要素解析を体系的に行ない、鋼・コンクリート合成部材の熱伝導・温度応力分布に及ぼす、これらの補強材(鋼材、新素材)の影響を解析的に解明した。 なお、本研究の研究成果の一部は、平成7年に開催される国際会議International Conference on Concrete Under Severe Conditionsにおいて発表する予定の論文、Thermal Behavior of Composite Beams under External Heatingの一部とした。
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