研究課題/領域番号 |
06750517
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
構造工学・地震工学
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
伊津野 和行 立命館大学, 理工学部, 助教授 (90168328)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 形状記憶合金 / 超弾性 / 耐震補強 / 橋梁の耐震 / 地震応答解析 / 免震ダンパー |
研究概要 |
本研究は、形状記憶合金を用いた補強部材による橋梁の耐震補強効果を検討したものである。この合金は特殊な非線形履歴復元力特性である超弾性特性をもっており、エネルギー吸収能力に優れた材料である。また残留変形がないという利点もあり、橋梁の耐震補強として超弾性合金を利用した補強部材が有効であるかを数値解析的に検討した。具体的には補強部材をバネ部材でモデル化し、補強バネ部材を取り付けない場合、線形の補強バネ部材を取り付けた場合、そして非線形(バイリニアモデル、超弾性モデル)の補強バネ部材を取り付けた場合について解析を行った。その結果、次のような結論が得られた。 1.補強部材の剛性によっては、補強前より大きな力を受けることもあるため注意が必要である。 2.バネの剛性が高ければ最大加速度を小さくすることができ、非線形のバネのようにエネルギーを吸収することができれば、揺れを早く止めることができた。 3.変位応答では、超弾性モデルとバイリニアモデルを比較した場合に、二次剛性比が同じならば優劣はない。 4.超弾性モデルの履歴曲線には、線形領域が存在するため必ず原点を通っている。また残留変形がないのが特徴で、これは地震により被害を受けた場合でも補強部材の変形は元の状態に戻るので、震後復旧に有利である。 5.二次剛性比が小さい非線形のバネ部材は、エネルギー吸収量が多い。また、超弾性モデルには線形領域が存在するため、バイリニアモデルよりもエネルギー吸収量は少ない。 6.今回のシミュレーションにおいて、通常の金属をモデル化したバイリニアモデルが優れた耐震性を示した。また、超弾性モデルも残留変形がないことを含めると、利用価値は十分にあるといえる。
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