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本研究は、RC造プレキャスト構造のうち、耐震壁と床(梁)の接合部に着目して、接合部の要素実験を通して、耐震壁と床(梁)との接合部で有効なせん断力伝達機構として多用されているシアキ-(コッター)のせん断挙動を考察・解明を試みる。さらにシアキ-の形状決定のための指標となり得るシアキ-形状の数値比(定量化)とシアキ-の破壊性状との関連の解明を試み、今後のプレキャスト構造の合理的設計のため手法確立の基礎とすることを目的とした。
研究の結果、およそ次の項目が明らかになった。
1)本研究で扱った試験体の回転を拘束した試験体のせん断実験では、既往のシアキ-(コッター)のせん断強度算定式との適合性が良くないこと(危険側に算定)が明らかとなった。
2)シアキ-の耐力算定式は、壁におけるシアキ-の位置によって適合できるものとできないものがあることが分かった。
3)シアキ-の側面寸法を指標にした従来の研究とは異なり、シアキ-の長さと設置場所も定量化の大きな一因となることを示した。
4)実験で得られた上記知見を有限要素法解析によって検証した。
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