研究課題/領域番号 |
06750694
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機材料・物性
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田中 勝久 京都大学, 工学部, 助手 (80188292)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | テルライトガラス / ポーリング / 光第二高調波発生 / 電気双極子 / ガラス転移温度 / コヒーレンス長 / 構造緩和 / 屈折率 |
研究概要 |
本研究では、ポーリング処理により光第二高調波発生が観察されることが明らかにされている無機ガラスのうちテルライトガラスを選択し、種々の組成における第二高調波強度と2次非線形光学定数を測定して、テルライトガラスにおける光第二高調波発生のメカニズムを推測することを目的として研究を行った。具体的な研究成果を以下に要約する。 1.xMgO・(30-x)ZnO・70TeO_2組成のガラスを作製し、4kVの直流電場下、種々の温度で30分間ポーリングを行った。得られた試料の光第二高調波強度を、Nd:YAGパルスレーザーを光源とし、Makerフリンジ法を用いて測定した。いずれの組成のガラスにおいても光第二高調波は発生し、ポーリング温度が一定という条件下では、その強度はZnO含有量の増加にともない単調に増加した。2次非線形光学定数d_<33>も同様の傾向を示した。また、この系のガラス転移温度はZnO含有量の増加にともない単調に減少した。さらに、各ガラスの光第二高調波強度の入射角依存性は明確なフリンジパターンを示し、ポーリング領域がコヒーレンス長と比較して十分に長く、電気双極子の配向がガラス表面層に限られるのではないことが明らかとなった。以上のことから、電気双極子の配向はガラス転移温度以下で外部電場により誘起されたガラスの構造緩和によりもたらされることが推測された。 2.B_2O_3-TeO_2系のガラスにおいても同様の挙動が観察された。また、MgO-ZnO-TeO_2系と比較すると、この系では光第二高調波強度および2次非線形光学定数d_<33>が小さくなった。これは、前者の系ではTe-Oの非架橋酸素の生成によりガラス骨格が柔軟になっているのに対し、後者では非架橋酸素が生成せずガラス骨格がrigidであり、ガラス構造単位の配向が起こりにくくなるためと考えられる。
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