• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

高原子価の鉄イオンを含んだ酸化物の合成と物性

研究課題

研究課題/領域番号 06750696
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 無機材料・物性
研究機関大阪大学

研究代表者

森本 正太郎  大阪大学, 基礎工学部, 教務職員 (80252633)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード高原子価イオン / 鉄酸化物 / 電荷不均化反応 / ペロブスカイト / 構造解析 / 電子密度分布
研究概要

Feの高酸化状態でありその電子状態(3d)^4が,高温超伝導体で重要な役割を演じているCu^<2+>イオンの(3d)^9と非常な類似性を持っている,Fe^<4+>を含んだCaFeO_3について研究を行った.
酸化剤にKIO_3,KC10_4,CrO_3,CaO_2を用いた高酸化雰囲気下の反応により,2〜3GPa,950〜1100℃の圧力・温度範囲での合成が可能であることを明らかにした.熱分析測定において昇温過程で,200℃付近の温度からFe^<3+>の酸化物であるCaFeO_<2.5>-への分解が始まり,Fe^<4+>の熱的な不安定性が確認された.さらに合成条件を検討し,酸化剤にCaO_2を用いることにより,粒径の比較的大きな100μm程度の単結晶合成にはじめて成功した.
得られた結晶の多くは結晶軸関係を同じくした長周期構造を持つ酸素欠損相と思われる相が混在しており,CaFeO_<.5>-CaFeO_3系列における欠損配列の規則化に伴う超周期構造の存在が明かとなった.
酸素欠損相を伴うわない結晶について,放射光X線を用い室温,113K(電荷不均化反応が完了していると思われる温度)における構造解析を行った.Fe^<4+>を含むが不均化反応を起こさないSrFeO_3との比較を行った.その結果,室温,113Kでの構造はともに斜方晶ペロブスカイト構造であることが明かとなった.Fe-O-Fe角度は,SrFeO_3での180°に対して,160°まで曲がっている.このことから,SrFeO_3とはFe-O-Fe間相互作用が異なることにより,CaFeO_3における不均化反応を誘起すると考えられる.Fe-O距離はSrFeO_3とほぼ同じであるが,室温でわずかに1方向に延びているFeO_6八面体は,113Kで正八面体に近づいており,不均化反応と関わりがあると考えられる.また差フーリエ合成図においてFe-O結合の中間に1.2e/A^3の余剰電子ピークがあり,4価のFeでの共有結合性の強さが示された.これは,クラスター軌道計算の結果とも一致している.

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書

URL: 

公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi