研究課題/領域番号 |
06750747
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
金属生産工学
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研究機関 | 室蘭工業大学 |
研究代表者 |
平井 伸治 室蘭工業大学, 工学部, 助教授 (10208796)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 硫化セリウム / 二硫化炭素 / 二酸化セリウム / 硫化反応 / 炭素還元反応 / 合成 / ホットプレス焼結 / るつぼ材 |
研究概要 |
Ce_2S_3粉末をCeO_2粉末から合成する方法として、H_2Sガスに比べて取り扱いが容易で、さらに硫化温度の低下が期待されるCS_2ガスを用いる処理法に着目し、最初にCeO_2のCS_2ガス硫化によるCe_2S_3の生成過程について検討を行った。硫化実験は、CeO_2粉末(平均粒径2.25μm)を入れた石英ボ-トを反応管内に挿入し、Ar雰囲気中にて温度が873〜1073Kの所定温度に達した時点で、CS_2溶液中から気化させたCS_2ガスを搬送ガスにArを用いて反応管内に導入することにより行った。硫化時間は1.8〜28.8ksとしたその結果、硫化温度が923K以上では、反応初期に生成が確認されたCeS_2は、その後、高温ほど短時間で消失し、新たにα-Ce_2S_3が生成し始めた。そして、973Kでは28.8ksの硫化によりα-Ce_2S_3単相が得られた。この時のα-Ce_2S_3中の酸素含有量は1.3mass%であった。また、1023Kの高温では、α-Ce_2S_3の他にCe_2O_2Sの生成も認められた。このCe_2O_2S生成は反応時間の経過と共に増大する傾向が認められた。ところで、出発原料のCeO_2粉末にカーボンブラック(平均粒径0.022μm)を1mass%添加することにより、未添加の場合に比べてCeS_2がさらに短時間で消失し、代わってα-Ce_2S_3の生成が促進された。そこで、α-Ce_2S_3の生成過程は、初めCeO_2から酸素を固溶したCeS_2まで硫化反応が進行し、次にCeS_2から炭素還元反応によりα-Ce_2S_3が生成するものと推定された。次に合成されたα-Ce_2S_3粉末を10^<-4>Pa以下の真空中1473Kにて加熱することによりβ-Ce_2S_3に不可逆変態させた後、ホットプレス法による焼結実験を行った。その結果、10^<-4>Pa以下の真空中にて20MPaの圧力を加えながら0.17°/sの昇温速度で昇温したところ、1273K付近から焼結に伴う収縮が観察され、1473K付近でその収縮は飽和に達した。そこで、焼結温度を1473Kに設定して焼結を行ったところ、理論密度97%のγ-Ce_2S_3(Ce_2S_3とCe_3S_4の個溶体)を得ることができた。
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