代表的なセラミックス粒子であるSiO_2粒子を生成する反応系をモデルとし、コロナ・無声放電を反応励起法とする気相化学合成法により、表面に様々な有機基が結合した超微粒子生成を試みた。基礎的な合成法および生成粒子の物性について以下の知見が得られた。 1.弱電離プラズマを反応励起法として使用することで常温常圧の反応条件でも効率よく超微粒子の合成を行わせることが可能である。本研究での合成法では熱的な反応が進行しないので、有機物を含む反応系に対して穏やかな反応条件の設定が可能である。 2.SiO_2粒子の合成原料として有機珪素化合物を仕様すると、簡単な加水分解反応により、表面に様々な有機基が結合した粒子を気相から直接合成することが可能である。本研究では、表面に様々なアルキル基、アルコキシ基、フェニル基等が結合した粒子を合成することができた。 3.得られた粒子は総て粒径が0.1μm以下のサイズの揃った超微粒子であり、有機溶媒中に簡単に分散させることができる。粒子表面は親油性(疎水性)であり、親水性であるSiO_2粒子に比べて通常の気相中での分散が容易であった。本方法により、表面改質セラミックス超微粒子を簡便な気相反応により合成可能である。 4.表面に結合した有機基の含有量は、反応ガスの濃度により制御することが可能である。 5.表面有機基の熱的安定性は、有機基の種類によって異なるが、メチル基が他の有機基に比べてはるかに安定であり、空気中で600℃程度の高温でも安定に存在することが確認された。
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