研究概要 |
GaおよびInイオン交換ゼオライトの高選択的挙動と反応機構について検討を行った結果,本触媒系の高選択性がGaとゼオライトの酸点の共存により発現すること及びNO_2が本反応を促進することを明らかにし,またNO酸化によるNO_2の生成にゼオライトの酸性が関与していることを示した。また,GaおよびInの役割はNOのNO_2への酸化を促進することではなく,NO_2とCH_4の反応の促進であり,本反応の高選択性はゼオライトにイオン交換されたGaおよびIn上でNO_2とCH_4の反応が選択的に進行することに起因すると考えられる。 つぎにGa-ZSM-5上でのNO-CH_4-O_2反応において生成するCOおよびCO_2について検討した。反応初期にN_2とCOがほぼ1:1で生成し,CO_2はほとんど生成せず,反応の一次生成物はCOであることがわかった。反応するNO_XとCH_4の比がNO_X:CH_4=2:1であること,NO_2とCH_4の反応により本反応が進行することから,本反応は NO_2+CH_4+NO=N_2+CO+2H_2Oの化学量論式で示される。 また,In-ZSM-5でもNO-CH_4-O_2反応では高SV条件下ではCOが選択的に生成し、NO_2-CH_4反応では一次生成物がCO_2であることからGa-,およびIn-ZSM-5は本質的に反応機構は同じであると考えられる。 以上の結果より,次の反応機構が導かれる。すなわちNOが酸化されてNO_2を生成し,NO_2とCH_4の反応により生成した反応中間体がNOとの反応によりN_2を生成する。 NO+1/2O_2=NO_2 ‥‥(1) NO_2+CH_4=[X](反応中間体)+mH_2O ‥‥(2) [X]+NO=N_2+CO+nH_2O ‥‥(3) また本反応では共存水蒸気による反応の阻害が深刻な問題となるが,In-ZSM-5触媒は水蒸気存在下でも比較的高い活性を示すことを見いだしており,今後の展開が期待できる。
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