本研究では以下の3つの課題に取り組んだ。2)、3)は大気中におけるX線励起電流の機構を明らかにするためであり、実験結果を基に電流強度の理論的解釈、分析深さについての検討を行った。 1)X線励起電流測定用、試料ホルダーの作成 2)X線励起電流の気圧依存性測定 大気圧から0.1torr程度までの真空を実現できるチャンバー(既存)を利用して、X線励起電流の気圧依存性を測定した。 3)X線または印加電圧の変調によるキャリアの移動度評価 チョッパーによる入射X線の強度変調を行い、2位相ロックインアンプを用いてX線励起電流の応答を調べる。変調に対して電流が追従できなくなる周波数、位相遅れからキャリアの移動度、質量の評価を行った。 これらの結果をもとにSi表面に蒸着した金薄膜についてX線励起電流検出のXAFS測定を行い、その有用性を確認した。
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