研究概要 |
(1)補助相材料として、種々の硝酸塩、亜硝酸塩(NaNO_2,NaNO_3,NaNO_3-Ba(NO_3)_2)を補助相に用いた素子がNO、NO_2の両者に対して応答感度を有することがわかった。ただし、これらの含酸素酸塩は高湿度下における保存特性に難点があることがわかった。一方、新しい補助相材料として金属酸化物系が高いNOx感度を有することを見出した。特に酸化物としてCuO,Cr_2O_3系が高いNO,NO2感度を有しており、いずれも5-200ppmの範囲において応答起電力は濃度の対数に比例する良好なネルンスト応答を示すことがわかった。このときNO_2に対しては反応電子数(n)n=1であり、NOに対してはn=2となることがわかった。また、約100ppmに対する90%応答時間は20sから5minであった。さらに、本素子は、NO_2共存下では、酸素濃度変化に対して全く起電力には変化が見られなかったが、NOに対しては酸素濃度依存性があり、反応機構が大幅に異なることがわかった。 (2)水溶性塩を用いたゾル-ゲル法により導電性に優れた、NO_3Zr_2Si_2PO_<12>(NASICON)の焼結体ディスク、および厚膜を合成できることがわかった。特に、合成条件として、ゾルのpH、仮焼温度、本焼成温度の制御が重要であることがわかった。また、上述のゾルとエチレングリコールを用いることにより良好なNASICON厚膜を合成できることを見出した。
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