研究概要 |
まず,プローブ顕微鏡により,表面微細加工及びその構造の安定性について調べた.グラファイトを試作基板とした場合,表面加工の再現性は乏しかった.金では,加工は比較的容易であった.径,高さともサブミクロンオーダーの隆起の形成が可能であった.しかし,隆起が表面拡張により徐々に消失することが確認された.最後にSiでは,再現性よく良好な加工が可能であった.右図にその一例を示す.これは,シリコン基板表面にSIという文字を描いた様子を示すものである.加工文字はくぼみでできているのがわかる.図のスケールは2μm四方であり,文字の線幅はここでは約30nmとなっている.シリコンを試料基板に用いることにより,任意の形状の加工が可能であり,また構造も安定であることがわかった. 次にこのSiを試料に用いて,表面加工を行った箇所を再び基板上から探し出すことが可能かどうかを調べた.加工サイズがナノメーターレベルでは困難であった.しかしながら,加工部位近傍に目印として,数十ミクロン程度の,第二の加工部位を形成しておくことにより,これは可能となることがわかった.以上の結果をもとに,加工部位の構造転写について,目下研究続行中である.
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