研究課題/領域番号 |
06750857
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機工業化学
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
阪根 英人 山梨大学, 工学部, 助手 (50252010)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | フッ素雲母 / イオン記憶イオン交換体 / 局所構造 / X線吸収微細構造 |
研究概要 |
すぐれたイオン記憶特性を持つ無機イオン交換体の代表として、まずナトリウム形合成四ケイ素フッ素雲母を試料として選んだ。合成フッ素雲母、特にナトリウム形テニオライトNaMg_2LiSi_4O_<10>F_2・2H_2OはK^+、Rb^+、Cs^+、ならびにNH^+_4に対して特に高いイオン記憶特性を示すことがわかっている。 1.これらのイオンと層間Na^+がイオン交換したテニオライトの粉末X線回折には、最大交換率に達していない試料ではナトリウム形2水層のピークが現われた。このピークは交換量が増大するにつれ小さくなっていった。一方、交換量が増えるにしたがい交換イオン、たとえばRb^+と交換した場合はルビジウム形の無水層のピークが現われて来ており、最大交換率に達すると001面反射では他のピークはなくなり、この無水層のピークだけとなった。これらのことより、合成フッ素雲母ではイオン交換反応が可能な層間イオンは2水層中にあるものだけであり、無水層中の残留Na^+は交換できないことがわかった。 2.Rb^+、Cs^+、Sr^<2+>、Ba^<2+>、Ni^<2+>、Co^<2+>とイオン交換させたテニオライトやヘクトライトNa_<1/3>Mg_<8/3>Li_<1/3>Si_4O_<10>F_2・2H_2OのX線吸収スペクトルを高エネルギー物理学研究所放射光実験施設において測定した。そのX線吸収微細構造の解析結果より、テニオライトとRb^+を交換反応させるときのように非常に高い選択性を示す組み合わせの場合のみ、かなり低交換率のときから最大交換率にいたるまで、交換イオンは水和しない形で層間に入っていることが明らかになった。 3.X線吸収微細構造は特定の元素周囲の局所構造を解析するのには有力な手段であるが、雲母の層構造全体の解明には適当ではない。そこで粉末X線回折のパターンを更に解析し、層構造の変化についての知見を得るためのRietveld解析プログラムの検討を行った。その結果、オンラインソフトとして得られるソフトウェアが最適であると判断し、そのプログラムそのものや使用説明を得るためにLANとの接続を行った。
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