研究課題/領域番号 |
06750860
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
無機工業化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
田部 勢津久 京都大学, 総合人間学部, 助手 (20222119)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 希土類含有ガラス / アップコンバージョン / 波長変換レーザー / エネルギー移動 / 励起状態吸収 / フォノンサイドバンド / メスバウアー効果 / 配位子場 |
研究概要 |
平成6年度までに、固体中の希土類イオンのf-f遷移を利用した材料の理論的設計を目指し、非輻射遷移の抑制とともに特定遷移確率の向上の重要性に着目し、配位子場との関係に関する一連の研究を行った。4f準位間の電気双極子遷移確率は、遷移前後の電子状態と配位子場の強度や対称性に依存するので局所構造の支配因子を明らかにするとともに、新規ガラスを作製しその組成と配位子場構造の関連を得、f軌道励起状態のダイナミクスも明らかにした。非輻射損失を支配する多フォノン緩和については、これまでにフォノンサイドバンド測定により局所構造と希土類イオンと結合したフォノンエネルギーとの関係を多くのガラス系について導き、高効率ホストの選択に必要な因子を明らかにした。さらに高い遷移確率を有する固体で共鳴波長領域においてEr、Tmの励起状態吸収を実現することにより示した。また高速緩和機構を時間分解分光を用いてダイナミクスを解析することにより、輻射および非輻射緩和の寄与を明らかにしながら調べ、ガラス中の希土類イオンの局所構造を明らかにするために、Eu-メスバウアー効果の測定を行い、配位子場を規定し、各準位の遷移確率や相対的なブランチ比を支配する強度パラメータを吸収スペクトルからJudd-Ofelt理論により算出し、その決定因子とガラス構造の関係について調べた。またその結果を応用して、Tm^3イオンの紫外、青色発光の強度比を制御することに成功した。これらの知見を基にTm^3,Er^<3+>イオンで赤外可視変換(アップコンバージョン)レーザガラスの設計に成功している(平成6年度光科学技術研究振興財団研究表彰受賞「4f電子遷移を利用した赤外可視変換希土類含有ガラス材料の設計」)。
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