研究課題/領域番号 |
06760009
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
育種学
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
寺地 徹 京都産業大学, 工学部, 助教授 (90202192)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ミトコンドリア遺伝子 / 発現ベクター / 雄性不稔 / Helianthus / orf522遺伝子 / atpA遺伝子 |
研究概要 |
本申請課題では、細胞質雄性不稔など植物育種学上重要な形質に関与すると考えられているミトコンドリアゲノム上の遺伝子とその産物の機能を、タンパク質の側から解明することを最終目的にしている。しかし一般に植物ミトコンドリアのタンパク質は、旧来の生化学的手法で大量調製することが難しく、新たな実験手法の開発が切望されていた。そこで本申請課題では、タンパク質を植物体から直に調製するのではなく、それに対応するcDNA断片を大腸菌の発現ベクターにクローニングして大量発現させ、大腸菌のライゼ-トから目的タンパク質を精製する実験系を確立することを当面の研究課題とした。これについて、まず、エンドウのatpA遺伝子と発現ベクターpMAL-c2を用いて、ミトコンドリアタンパク質の大腸菌内での発現と精製の予備的な実験を行った。その結果、大腸菌の破砕条件や最終精製過程で更に検討の余地はあるものの、この実験系で期待通りエンドウATPAタンパク質を大量に調製可能であることがわかった。これをうけて、次に、ヒマワリの雄性不稔の原因として疑われているorf522遺伝子産物を、上記と同じ方法で大量調製することを試みた。しかしながら、今度は予期に反し、目的のコンストラクトをもつ組換体自体を容易に得ることができなかった。そこでこの結果を注意深く検討し、orf522遺伝子の再クローニングを進めた結果、orf522遺伝子産物が大腸菌を致死にするという予想外の結論に達した。したがってこの実験でORF522タンパク質を大量調製することには成功しなかったが、今回見いだされた新事実は高等植物の雄性不稔との関連で非常に興味深いと考えられるので、実験結果をまとめ学会誌に投稿した。
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