研究課題/領域番号 |
06760056
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
植物栄養学・土壌学
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
横田 聡 東北大学, 農学部, 助手 (60220555)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | アルミニウムイオン / 酸性土壌 / 低pH / viability |
研究概要 |
アルミニウムストレスは酸性土壌における作物生育阻害の第一要因であるとされていて、水耕栽培系におけるアルミニウムイオンストレスの再現実験が多く行われてきた。しかし、その大部分においては、アルミニウムイオンの形態を毒性の強いAl^<3+>に保つためにpH4付近の低pH領域で行われている。しかしこのような条件で植物根の生育は低pHのみによっても阻害をうけることが確かめられており、必ずしもアルミニウムイオンそのものの影響を正しく評価できていなかった。 そこで、本研究では、低pHの影響を排することのできるpH5.0においてアルミニウムイオンストレスをアルファルファ根に与え、伸長阻害および根の細胞の生理的機能に与える影響をin situで観察した。根の細胞のviabilityを蛍光色素FDA(fluorescein diacetate)の分解活性として検出し、蛍光顕微鏡による観察を行ったところ、低pHでは数時間で消失したのに対し、アルミニウムイオンストレスの場合は、短時間で伸長阻害が起こっても、長時間にわたって保持されていることがわかった。また細胞内カルシウムイオン濃度のFura-2を用いたin situ検出を試みたが、アルミニウムイオンストレスにともなう顕著な変化は認められなかった。 これらの結果より、アルミニウムストレスによる根の伸長阻害は、細胞全体の構造的破壊や機能の喪失によってではなく、細胞のとくに伸長にかかわる部分、たとえば細胞壁のゆるみや組み替え、de novo合成の過程に生じた障害によって起こる可能性が示された。
|