研究課題/領域番号 |
06760095
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用微生物学・応用生物化学
|
研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
田口 精一 東京理科大学, 基礎工学部・生物工学科, 助手 (70216828)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 放線菌 / Streptomyces subtilisin inhibitor / SSI様インヒビター / SSI生産欠失株 / 多面的形質変化 / 内因性標的プロテアーゼ / タンパク質間相互作用 |
研究概要 |
当初の研究実施計画にしたがい、まず約25種のSSI様インヒビター(SIL)生産菌の培養上清より精製単離したSILタンパク質の部分的あるいは全体的な一次構造決定と阻害特性の解析を行った。その結果、SSIの機能構造を形成する上で重要と考えられた部分は高度に保存されていることがわかった。一方、アミノ酸置換・挿入・欠失が分子表面(特にフレキシブルループ)で認められ、抗SSI抗体に対する交差反応性の低さと合致していた。また反応部位近傍の配列に差異があり、トリプシンやキモトリプシンに対して阻害能を示すものもあった。すなわち、標的プロテアーゼの基質特異性とこの領域との間に強い相関性のあることがわかった。また、インヒビターの構造相同性と生産菌種間の近縁関係と良い対応があったので、SILインヒビターが進化系統樹作成の生化学的な指標になると考えられた。そこで、最大節約法により進化系統樹を作成したところ、反応部位にリジン残基を有するインヒビターが初期に多く存在していたことが判明した。 次に、SSI消失変異株を取得したところ、胞子形成能の低下、生育速度の低下、プロテアーゼ生産の増大など多面的形質の変化が観察された。そこで、SSIと相互作用する菌体外プロテアーゼ(SAM-P20と命名)をアフィニティーカラムにて単離し、その遺伝子クローニング、塩基配列決定を行った。その結果、推定アミノ酸配列が既知のS.griseus proteaseAおよびBのそれらと高い相同性のあることがわかった。また、プレプロ型の前駆体として分泌生産されることが推定された。培養初期に出現するSAM-P20mRNAの鎖長は約2600塩基と長く、発現制御遺伝子とオペロンを成していることが推測され現在解析を進めている。SSIの“真の標的酵素"SAM-P20の過剰生産が実現すると、本来のSILインヒビター群の生理的意義の解明に迫れると考えている。
|