研究課題/領域番号 |
06760243
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用動物科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
束村 博子 名古屋大学, 農学部, 助手 (00212051)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 黄体形成ホルモン / エストロジェン / ノルアドレナリン作働性神経 / 室傍核 / 副腎皮質ホルモン放出ホルモン |
研究概要 |
絶食ストレス負荷によりLH分泌は強く抑制される。また、この抑制はエストロジェン依存性であることは、すでに報告した。そこで本実験では、この抑制系における脳内メカニズムを明らかにすることを目的とし、ラットを用いて以下の実験を行った。 i)エストロジェンを皮下に移植した卵巣除去ラットの第三脳室内に副腎皮質ホルモン放出ホルモン(CRH)拮抗剤を投与したところ、絶食ストレスによるLHパルスの抑制が直ちに解除された。また、視床下部室傍核にノルアドレナリン合成阻害剤を微量投与することによってもこの抑制は解除された。これらの結果から、絶食ストレスは、室傍核に投射するノルアドレナリン作働性神経がこの神経核に細胞体を持つCRH神経からのCRH分泌を促すことによりLH分泌を抑制することが示唆された。 ii)卵巣除去ラット脳内の様々な神経核にエストロジェン微少ペレットを植え込み、絶食ストレス時のLH分泌抑制に必要なエストロジェンの作用部位が室傍核およびノルアドレナリン作働性神経起始核である延髄のA2領域であることを明らかにした。さらに卵巣除去ラットの室傍核ヘマイクロダイアリシスプローブを通じてエストロジェンを急性に投与することにより、絶食ストレス負荷群においてのみLHパルスが急性に抑制されることを示した。また、室傍核でのノルアドレナリン放出量には絶食群・非絶食対照群ともにエストロジェン投与による影響は見られなかったことから、エストロジェンは室傍核でのノルアドレナリン受容体の感受性を増加させることにより絶食ストレスによるLH分泌抑制を引き起こすことが示唆された。 以上の結果により、ストレスによる性腺機能抑制の脳内メカニズムにおけるCRHおよび室傍核に投射するアドレナリン作働性神経の関与、およびこの神経経路に対するエストロジェンの修復機構が明らかとなった。
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