研究課題/領域番号 |
06760248
|
研究種目 |
奨励研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
応用動物科学
|
研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
黒瀬 陽平 北里大学, 獣医畜産学部, 助手 (10245392)
|
研究期間 (年度) |
1994
|
研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
|
配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | インスリン / ノルアドレナリン / 食欲 / 彩食量 / 血糖値 / 視床下部 / 側脳室 / ラット |
研究概要 |
中枢にインスリンおよびその受容体が存在していることが知られているが、その役割に関しては不明な点が多い。本研究ではインスリンの中枢食欲制御における役割を明らかにすることを目的として、インスリンの中枢投与が採食量、血中インスリン濃度、血糖値、および視床下部ノルドレナリン神経の活性に与える影響を調べた。 Wistar系雄ラット(体重350g)を環境温度24℃下で飼育し、実験に供した。実験1では、インスリンの中枢投与が食欲に及ぼす影響を調べるため、24時間絶食させたラットの側脳室にインスリン(100および200mU)を投与し、2時間の採食量を測定した。その結果、両インスリン投与区において採食量が有意に増加した。実験2では、インスリン(100および200mU)を側脳室に投与し、投与前後に腹大動脈に留置したカテーテルから20分毎に血液を採取し分析に供した。その結果、両投与区においてインスリン投与直後から血中インスリン濃度が増加したが、その増加割合は200mU投与区の方が大きかった。また、両投与区においてインスリン投与直後から血糖値が減少したが、その減少割合は200mU投与区の方が大きかった。実験3では、インスリン(100および200mU)を側脳室投与し、投与前後の視床下部(室傍核および腹内側核)ノルアドレナリン神経の活性変化をマイクロダイアリシス法を用いて調べた。その結果、インスリン200mU投与直後にノルアドレナリン濃度が増加し、時間の経過とともに減少した。 これらの結果から、中枢投与したインスリンは血糖値の低下を介して採食行動を刺激すると考えられる。また、インスリンが視床下部ノルアドレナリン神経を活性化し、食欲を刺激する機序の存在が示唆された。
|