研究課題/領域番号 |
06760256
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
基礎獣医学・基礎畜産学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
遠矢 幸伸 東京大学, 農学部, 助手 (20180119)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | ネコカリシウイルス / RNA / カプシド蛋白 / Polymerase Chein Reaetion / 制限酵素 |
研究概要 |
本研究の目的は、ネコカリシウイルス(FCV)の遺伝的多様性、特にカプシド蛋白遺伝子内における多様性を解析し、その抗原性に与える影響を基にしてタイピングを試みることにある。Polymerase Chain Reaction(PCR)法を用いてFCVカプシド蛋白遺伝子の中和エピトープをコードしているVariable領域を含む遺伝子断片の増幅法を検討し、得られたcDNA断片について制限酵素切断パターンの解析を行い、以下の成績を得た。 1)日本の標準株であるF4株を用いてウイルスRNAの簡便な抽出法を検討したところ、SDSとProtease Kを組み合わせた方法により、100TCID_<50>/ml以上の感染価のウイルス培養液からcDNA合成並びにPCR増幅を行い得るRNAが抽出できることが示された。 2)Variable領域を含むcDNA断片を増幅するため、現在までに報告のあったFCVの塩基配列を参考にして、センス並びにアンチセンスのプライマーをそれぞれ2種類合成し、4種の組み合わせについて国内外のFCV株30株を用いて増幅効率を検討したところ、カプシド遺伝子1088から1613の526塩基を増幅するプライマーペア-が最適であることが示された。 3)上記のPCR法により増幅された遺伝子断片を2種の制限酵素(HaeIII、RsaI)によりそれぞれ切断し、8%アクリルアミドゲル電気泳動を行ったところ、ほぼ全ての株を識別可能なパターンが認められた。 以上の成績から、PCR法により簡便にFCVの中和エピトープをコードしている遺伝子領域を含むcDNA断片を増幅し、制限酵素解析できることが示された。2種の酵素で得られたパターンの組み合わせは、ほぼ全ての株を識別しうる程多様であり、増幅されたこの領域の遺伝的多様性を反映するものと考えられ、本法は疫学的マーカーとして有効なタイピング法であることが示唆された。
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