研究課題/領域番号 |
06760292
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
生物資源科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
安藤 太助 東北大学, 農学部, 教務職員 (40250732)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
1994年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 家畜排泄物 / 微生物叢 / 環境浄化 / コンポスト / 汚水処理 / アンモニア / 好熱性真菌 |
研究概要 |
動物生産にともなって排出されるふん尿(マニュア)は重大な環境汚染原因となっているが、その処理方法に関して科学的なアプローチはほとんど行われていない。本研究では、マニュアおよびマニュア浄化過程における微生物動態の観察、マニュア中およびマニュアのコンポスト化および畜舎汚水処理過程における微生物叢の検索を行い、マニュア浄化機能を持つ微生物の分離と機能解析を試みた。 マニュアを室温に放置して7日間微生物叢の変化を観察したところ、ウシ、ブタの場合Enterobacteiaceaeが増殖して優占種となったが、嫌気性菌を含む他種の菌数に大きな増減はなかった。ニワトリではこれらと異なる特徴が示され、嫌気性菌が好気性菌より多いまま推移し、いずれの嫌気性菌属もEnterobacteiaceaeより多かった。 コンポスト処理4施設の調査を行ったところ、発酵による温度上昇が認められ、温度の上昇に呼応して、微生物数が減少した。しかし、2次発酵時に放射菌や細菌の一部は減少せず、1次発酵時にこれらの微生物が選抜されていることが示唆された。一方、良好な施設ではこれらの過程でふん便由来微生物が殺滅されていた。畜舎汚水処理4施設の調査では、水質の浄化にともなって、ふん便由来の微生物が除去されていることが示された。 悪臭原因物質であるアンモニア除去に焦点を当て、アンモニア同化微生物の分離・解析を試みたところ、コンポストから高濃度のアンモニアに耐性を持ち、窒素源としてアンモニアを利用できる放射菌10株が分離された。また、コンポスト化過程から好熱性真菌が分離され、キシランをはじめとする炭水化物の分解活性が高い上にアンモニア窒素の利用性が高い株を得ることに成功した。今後、これらの特徴を持つ微生物の性状解析を進めるとともに、マニュアへの接種実験などを通して、これらの微生物の現場での利用方法を模索して行きたい。
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