研究概要 |
1.バクテリアセルロースの生産性向上 (1)添加剤の影響 添加剤にはカルボキシメチルセルロースNa塩(CMC),キシログルカン(XG),ポリエチレングリコール(PEG),ポリビニルアルコール(PVA)の4種を用いた。この結果0.5%CMC,0.1%XG,5%PVAを培地に添加した場合,無添加に比べセルロース生産量が2〜3倍増加することが認められた。 (2)基質炭素源の影響 Hestrin-schramm培地のグルコースの代わりにグリセリン,キシロース,ショ糖を用いた。この結果グリセリンを用いた場合により高い生産性を示すことが認められた。 バクテリアセルロースの複合結晶形成過程 バクテリアセルロースの培養の際,培地にCMC,XGを添加すると,無添加の場合のIα含率64%に比べ,Iα含率が最大20%まで添加濃度の増加とともに減少する。この減少率はこれらの添加剤の重合度,置換度に依存することなども明らかにした。さらに,電顕観察によりIαの減少率はミクロフイブリルのサイズの減少と対応関係が認められ,Iαへの結晶化はミクロフィブリルの凝集に起因していることが明らかになった。
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