2種のエンドセリン受容体(ET_A受容体およびET_B受容体)はともに7回の膜貫通部位をもつG蛋白質共役受容体であり、phospholipaseCの活性化が細胞内情伝達系として重要であると考えられている。しかしながら、エンドセリンの情報伝達系としてphospholipaseCの活性化以外にも、Ca^<2+>channelの活性化、phospholipaseA_2の活性化、phospholipaseDの活性化、adenylyl cyclaseの活性化または抑制など様々な系が働いているという可能性が示唆されている。こうした複雑な情報伝達系を明確にし、それぞれの系の活性化のメカニズムを分子レベルで解明するために、2種のエンドセリン受容体および各種G蛋白質αサブユニットのcDNAを用い、これらの分子を真核細胞で高頻度に発現させ、各種のセカンドメッセンジャーの測定を行うことによって、2種のエンドセリン受容体と共役するG蛋白質を解析した。その係合かET_A受容体およびET_B受容体はこれまでに明かにされてきたG_<q/11>のみではなく、G_<i2>、G_Sとも共役することが明かとなった。
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