本研究によって下記の結果を得た。 1・低浸透圧による機械刺激 低浸透圧処理による機械刺激を期待する場合、細胞膜伸展の度合いを評価しなければならない。接着細胞において体積増加による細胞膜の伸展の度合いを定量するために膜に蛍光色素を取り込ませ標識しリアルタイム共焦点レーザー顕微鏡を用いて縦断層面の経時的変化(z-t)の観察をした。その結果、低浸透圧刺激による膜伸展の時間経過を定量的に測定することができた。また従来、浮遊細胞系で報告されている調節性体積減少を確認することができた。 2・シリコン膜による機械刺激 従来の方式では伸展刺激時に焦点面がずれ、振動が大きい等のデメリットがあり、顕微鏡観察・電気生理学的手法は困難であった。本研究では従来法に改良を加え伸展時に焦点面がずれたり振動が少ない装置を開発した。 現在、1・2の方法を駆使して定量的に機械刺激を与え機械受容チャネルを活性化し、生じる電気生理学的現象をパッチクランプ法にて記録している。
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