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HIVのnef遺伝子産物と結合するT細胞蛋白質の発見とNef蛋白の作用機序の解析

研究課題

研究課題/領域番号 06770112
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 病態医化学
研究機関久留米大学

研究代表者

井上 雅弘  久留米大学, 医学部, 助手 (00232562)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
900千円 (直接経費: 900千円)
1994年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードトリプターゼTL_2 / HIV-1 / Nef / T cell / BIAcore
研究概要

我々は,これまでの研究で,Nef蛋白(Nefと略す)特異的に結合するT cell内の蛋白の一種が,トリプターゼTL_2(TL_2と略す)で,あることを発見している。今年度の研究では,NL43,およびHXB 3 HIV-1 Plasmid由来のNefを大腸菌にGST融合蛋白として発現させ,さらにNL43Nefについては,3つのペプチドに分けGST融合蛋白として発現させ,各々を,精製し実験に用いた。TL_2はT cellより分離精製したものを用いた。また,それらの結合状態を,リアルタイムで解析することができるBIAcoreを使用し以下の結果を得た。
1)NL43Nefは,解離定数9.2×10^<-6>MでTL_2と結合する。また,HXB3Nefも同様な解離定数で結合する。この結果は,TL_2との結合が,strainの異なったHIVのNefでも同様に起こることを示す。
2)NL43NefとTL_2の結合は,N末端から数えてHIV-1NL43のneucleotide numberでいえば8789-9140にコードされる領域で起っている。
3)この結合により,TL_2の蛋白分解酵素としての活性は影響をうけなかった。
1)の考察:この結合の解離定数は,Rat CD2とCD48の結合,および,小胞体結合性蛋白とアクセプター蛋白であるsyntaxinとの結合などと同程度であり,この結合は,強くはないが,Nefの細胞内局在がTL_2のそれと極めて近いことを加味すると,生体内で十分意味のあるものであると結論される。
2)の考察:当初,エイズウイルスの膜蛋白であるgp120がTL_2のGPGRの配列に結合していることより,NefのGPGVRを含む配列がTL_2との結合に関与していると予測していたが,このGPGVRは結合には関係ないけれども,GPGRの4番目のアミノ酸RがTL_2との結合には重要であることが明らかとなった。現在,結合部位の詳細を解明しつつある。また結合のbiologicalな意味はまだ不明であるが,NL43NefとTL_2の結合部位を明らかにし,その結合部位にミューテーションを入れて作成したNefをT細胞に発現させることにより,originalなNL43Nefを発現させたものと比較する手法で,明らかにする予定である。
3)の考察:TL_2の働きについて蛋白分解酵素以外の活性の有無を検討中である。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 木戸博: "HIVの外膜糖蛋白質gp120のV3領域と特異的に結合するトリプターゼTL2" Medical Immunology. 27. 351-358 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書
  • [文献書誌] Masahiro Inoue: "Close co-localization of CD4 and a serine esterase tryptase TL2 on the cell-surface of human monocytoid and CD4+lymphoid cells." Biochem.Biophy.Res.Commun.201. 1390-1395 (1994)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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