マウス白血病細胞株70Z3のcDNAライブラリーを、マウスRAD51の部分cDNA断片(出芽酵母ISC2/DMC1とユリLIM15の相同性の高い領域を利用して得られたRT-PCR産物)をプローブとしてスクリーニングし、全翻訳領域を含むマウスRAD51のcDNAクローン、λMR8を単離した。RAD51遺伝子の発現をSV40T抗原トランスジェニックマウスの肝癌で調べたところ、正常肝臓に比して高い発現がpreliminaryに観察された。 次に、肝発癌に対する遺伝子組換えの効果を見るために、RAD51トランスジェニックマウスの作製を試みた。 λMR8よりインサートDNA(1.9kb)を調整し、これをマウスの肝臓特異的なSerum amyloid P component(SAP)遺伝子のプロモーターの下流に連結したプラスミドクローンを作製した。さらに、そのプラスミドのRAD51cDNAの3'非翻訳領域の下流に、SV40のポリA付加シグナルの断片を挿入し、導入遺伝子を作製した。 現在、上記の導入遺伝子を、C57BL/6マウスの受精卵にマイクロインジェクションで注入し、トランスジェニックマウスの作製を試みている。
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