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赤痢菌の感染細胞内における病原性遺伝子発現検出系の開発

研究課題

研究課題/領域番号 06770197
研究種目

奨励研究(A)

配分区分補助金
研究分野 細菌学(含真菌学)
研究機関東京大学

研究代表者

戸辺 亨  東京大学, 医科学研究所, 助手 (70207596)

研究期間 (年度) 1994
研究課題ステータス 完了 (1994年度)
配分額 *注記
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
キーワード赤痢菌 / ビルレンス / プロモーター / 細菌病原性 / 病原性
研究概要

赤痢菌が病原性を発揮するまでには大きく分けて(i)ヒト腸管に到達した雨が上皮細胞に食作用を誘発し細胞内へ侵入し,(ii)エンドサイトゾーム膜を破り細胞内へ脱出し,(iii)細胞内を増殖しつつ拡散し,(iv)隣接細胞へ再侵入する段階がある。これらの各感染段階に対して,赤痢菌はそれぞれに必要な病原性因子を備えており,それらの発現を必要な場に応じて巧妙に調節していると考えられている。このことから本菌の宿主細胞内に於ける遺伝子発現の変化を知ることは,菌の感染機構を把握するためには不可欠であるが,現在まで本菌の感染細胞内遺伝子発現を検知,測定する実験系は皆無に等しく,この方面の知見は全くなかった。そこで本研究では、細胞内でのビルレンス関連遺伝子群の発現様式,およびその調節機構を明らかにすることを究極の目的として,上述のビルレンス遺伝子の感染細胞内発現様式を測定する系の開発を企図した。この目的の為本研究ではまず標的遺伝子の転写段階での発現レベルを簡便に検出できるプロモーターアッセイベクターを作成し、本システムが感染細胞内に存在する10^3-10^5個の菌数でも検出,測定しうるか検討を行った。具体的には、プロモーター活性の検出には,ルシフェラーゼ遺伝子(lux)をレポーター遺伝子に選び,本遺伝子の上流に様々なDNA断片を挿入できるようにマルチクローニングサイトを有するDNA片を結合させ,さらに融合遺伝子を安定に保持できるよう遺伝子下流に転写終結配列を含むDNA片と配置した。次に,作成した融合遺伝子の系が感染細胞内に存在する菌の遺伝子発現検出に有効かどうかを見るため,赤痢菌の細胞内拡散に必須の遺伝子virGのプロモーター領域を含むDNA断片を用いて融合遺伝子を作成した。これを赤痢菌にプラスミド状態で移入し,上皮細胞へ感染後,経時的に融合遺伝子を持つ菌を回収し,菌抽出液を調製し,酵素活性を測定した。この結果ルシフェラーゼ活性を指標に測定したvirG遺伝子プロモーター活性は,赤痢菌が宿主上皮細胞内へ侵入後30分-1時間に於てピークを示し,隣接細胞へ移行期には減少した。virGプロモーター活性のピークは,本菌が上皮細胞内に於て宿主細胞骨格系線繊を菌体の一極に凝集し,細胞内を活発に拡散する時期と一致していた。従って本システムは標的ビルレンス遺伝子の各感染過程に於ける発現調節を解析する手段として有効であることが示唆された。今回融合遺伝子は多コピーベクター上にある状態で開いたが,今後該遺伝子の本来の部位に於いて測定しうる系を開発したい。

報告書

(1件)
  • 1994 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Tobe T,: "Thermoregulation of virβ transuiption in Shigella by Sensing of changes in local DNA superhelicity" J.Bacteriol,. 177. 1094-1097 (1995)

    • 関連する報告書
      1994 実績報告書

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公開日: 1994-04-01   更新日: 2016-04-21  

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