研究課題/領域番号 |
06770251
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研究種目 |
奨励研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | (財)東京都臨床医学総合研究所 |
研究代表者 |
田中 稔之 財団法人東京都臨床医学総合研究所, 免疫研究部門, 研究員 (30217054)
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研究期間 (年度) |
1994
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研究課題ステータス |
完了 (1994年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
1994年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | IL-2 / IL-2レセプターB鎖 / トランスジェニックマウス / NK細胞 / Thy-1+樹状表皮細胞 |
研究概要 |
IL-2シグナルの組織特異性を理解するためには、IL-2Rβに連結するシグナル伝達装置に組織間で多様性があるか否かについて解析することが重要である。そこで本年度は、種々の組織でIL-2Rβに共役するシグナルを選択的に増幅することを目的として、IL-2Rβを過剰発現するトランスジェニック(Tg)マウスを作製しその表現型を解析した。【1】IL-2RβTgマウスの作製:トリβアクチンプロモーターとサイトメガロウイルスIEエンハンサーの下流にマウスIL-2RαおよびIL-2RβのcDNAを挿入した導入遺伝子を用いTgマウスを作製した。IL-2Rβを単独で過剰発現するTgマウス由来の脾臓細胞および胸腺細胞では正常マウスリンパ球に比べIL-2反応性の亢進が観察された。【2】NK細胞およびThy-1+dECの欠損:IL-2RβTgマウスにおけるリンパ球の発生を解析した結果、IL-2RβTgマウスではNK細胞とThy-1+dEC(Thy-1陽性樹状表皮細胞)が選択的に欠失していることが判明した。これに対して、他の胸腺および脾臓リンパ球サブセットには正常マウスと比較して明らかな変化は認められなかった。現在のところIL-2Rβの過剰発現による細胞系譜特異的な欠損のメカニズムは明らかでないが、本Tgマウスと私達がすでに報告した抗IL-2Rβ抗体投与マウスの表現型がよく一致すること、およびIL-2欠損マウスにおいてNKおよびThy-1+dECはほぼ正常に分化するという報告を考えあわせると、IL-15などIL-2以外のIL-2Rβを機能的レセプターサブユニットとするサイトカインがNKおよびThy-1+dECの分化に重要な役割を持つ可能性が示唆された。今後、種々の組織でIL-2Rβに会合するチロシンキナーゼの分子種などを解析する予定である。
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