研究概要 |
コカインとアルコールの相互作用の研究により、近交系C57BL/6J系、C3H/HeJ系マウスについて、以下の3点が判明した。 1.近交系C57BL/6J系マウスにおいて、コカイン1週間連続投与(10mg/kg,50mg/kg腹腔内)により、アルコール嗜好性の減少傾向が認められた。また、C3H/HeJ系マウスについては、元来アルコール嗜好性が低いが、コカイン投与により、さらに低下する傾向が認められた。 2.C57BL/6J系マウスのアルコール嗜好性の低下は、コカイン投与を中止することにより、その後1週間で回復した。 3.C57BL/6J系マウスの肝臓中のADH、ALDH活性は、in vivo(10mg/kg2日、1週間及び50mg/kg1回腹腔内投与)、in vitro(0.5mM)とも、コカイン投与により、変化しなかった。 現在、コカインとその代謝物の定量は、純粋な内部標準物質を自ら合成しなければならず、純度の点で不満であり、また、検量線のばらつきも大きいために成功していない。さらに、改良を進めたい。 また、アルコール嗜好性低下の原因を研究するため、今後、脳内のモノアミンを当教室のHPLCを用いて、定量することを計画している。
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