慢性関節リウマチにSjogren症候群を合併した38才男性患者の末梢血からB細胞を分離し、EBウイルスでトランスフォームし、マウス/ヒトのハイブリドーマSHM-D33とハイブリダイズさせ、産生されるRFをELISAで測定し、IgA-RF産生クローン4E5を得た。 このIgA RFはIgG Fcとのみ反応し、他のssDNA、タイプIIコラゲンなどとは反応せずmonoreactiveであった。4E5細胞10^6個からRNAを抽出し、RNA-PCRにて、IgA重複のシグナルペプタイド領域から、コンタクト域にかけての5'側3プライマー、3'側1プライマーを用いて増巾し得られたDNAを制限酵素で切断して得られたクローンをdideoxy法にてその塩基配列をシークエンスした。そのヌクレオチド配列はVH IVファミリーに属するDP-66 germlineと87.8%の相同性がみられた。推定アミノ酸配列では81.8%の相同性がみられた。4E5のアミノ酸配列につき、DP-66との対比からsilent substitutionへのreplacement比(R:S比)をみると、平均では1.1であったがCDR1と2領域のR:S比は3.5と高く変異が認められた。random mutationを起こすコドンのR:S比は2.9であるという報告があることから、IgA RF産生4E5クローンでは、抗原結合部位であるCDR1および2にpositive selectionがかかっていることが証明された。この結果は、IgA-RFがantigen-driven responseで作られていることを示すものである。
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