正常および潰瘍性大腸炎大腸粘膜の生検材料を試料とし、free radicalを産生する血管内皮細胞の性状に関して免疫組織科学的に若干の知見を得た。方法は、大腸粘膜生検材料に、1mg/mlのnitroblue tetrazolium(NBT)を含有するEagle's minimum essential medium 0.3mlを添加して2時間の器官培養を行う。培養後試料を固定し、OCTコンパウンドにて包埋し凍結切片を作成する。得られた切片に対して1次抗体として抗E-selectin、抗ICAM1、抗CD31、抗VCAM-1抗体を用い、酵素抗体免疫組織染色法により血管内皮細胞に発現している接着分子とNBT還元能の関連に関して検討した。炎症性腸粘膜において、VCAM-1は固有層に発現を認めなかった。組織学的炎症度との関連については、E-selectinのみが有意な関連を示した。NBT還元能を有する血管内皮細胞にはICAM-1およびCD31が陽性であった。E-selectinに関しては、NBT還元能を有する毛細血管ではE-selectinは陰性であり、比較的大きな血管において陽性であった。以上の結果に関してはScandinavian Journal of Gastroenterologyに掲載予定である。
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