研究概要 |
B型慢性肝炎患者の肝浸潤リンパ球からのHB特異的CTLの分離とクローニング: B型慢性肝炎患者の肝生検組織片より浸潤リンパ球を採取し、一週間の培養後、限界希釈法にてクローンを作製した。それらをFACscanにて解析し、CD8陽性クローンのみを選択し、2週間毎にフィーダーを加え培養を継続。そのクローンにつき、CTL活性を測定した。ターゲットとしてautoもしくはHLA-A遺伝子表現型が一致したalloにEBウイルスを感染させたB-LCLを用い、アッセイを行なう12時間前にadr-もしくはadw-typeのpreS2の最初の14mer合成ペプチドをパルスした。その結果、患者1よりadr-type preS2 peptide pulsed auto B-LCLに対してのみCTL活性を持つ2つのクローン、C-4,C-49が得られ、それぞれの培養上清中のgamma-IFN濃度は活性を持たないクローンのものより高値を示した。また、患者2からはadr-type preS2 peptide pulsed allo B-LCLに対してのみCTL活性を持つクローン、3-44が得られ、その培養上清中のgamma-IFN濃度も活性を持たないクローンのものより高値を示した。これらの結果を94年7月の第30回日本肝臓学会総会にて発表した。現在ひきつづき、ターゲットエピトープの検索をすすめている。
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